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経理業務の効率化は中小企業にとってどのくらい効果的か?どうやって経理業務を効率化するのか?

更新日:9月5日

人口減少、人手不足、働き方改革など、中小企業の経営者にとって業務効率化に取り組む理由はたくさんあります。

そこで業務効率化の方法はいろいろとありますが、今回はその中でも最も効果が高く失敗が少ないと言われている経理業務の効率化について説明します。

freeeを使った経理業務の効率化

中小企業の業務効率化への取組状況

まず初めに、中小企業がどのようにして業務効率化に取り組んでいるのかを紹介します。

ITツール等の活用状況について、商工中金が取引先である中小企業9,915社(回答数4,800社)にアンケートを行い、ITツール等の導入状況や目的、取組みの効果などを聞き取りました。


  1. ITツール等の導入状況について

次のグラフはITツールの導入状況について、ITツールの分野別に調査した結果をまとめたものです。ITツール等の導入状況で最も導入件数が多かったものが、「経理・経費・会計システム」です。最近では税理士の勧めやインボイス対応もあって、クラウド会計ソフトを導入する企業が増えているようです。およそ8割の企業で会計ソフト等を導入しているようですが、未だに導入していない企業も2割以上いることがわかります。※会計ソフトを導入していない2割の企業においては、早急に導入することをお勧めします。

分野別のITツール導入状況(商工中金)

2. 会計ソフト導入の効果

先ほどのITツール導入に関する調査では、いわゆる会計ソフトの導入件数が全ITツールの中で最も多かったのですが、次のグラフは、会計ソフトの導入がどのくらい業務効率化に効果があったかを調査した結果となります。

ITツール導入の効果の調査(商工中金)

調査では、会計ソフトを導入した1,666社のうち、88%の1,472社が効果的だったと回答しており、ほとんどの企業で会計ソフトが業務効率化に効果があったことがわかります。


また、その他の種類のITツール等と比較すると、会計ソフトの導入数が最も多く、運用で挫折した割合も少なかったことから、会計ソフトは導入しやすく、運用の失敗が少ないITツールだと言えそうです。


会計ソフトでできる経理業務の効率化の事例

会計ソフトは中小企業にとって業務効率化の上で取り組みやすいITツールだということは、商工中金の調査でもよくわかったと思います。それでは実際に会計ソフトでどのように業務効率化していくのかを紹介します。

会計ソフト導入後の効果と感想

商工中金の調査では実際に導入した企業からの声が紹介されています。その内容を見てみると、試算表作成などの財務状況を把握するスピードが早くなったこと、請求書などの帳票作成が早くなったことなどが挙げられています。これらの内容について、具体的に何がどうなったのかを説明します。


  1. 試算表等の作成が簡単に早くできるようになった件について

従来では、試算表作成などの月毎の財務状況の把握は税理士に依頼することが一般的でした。特に小規模の企業においては、月初に前月分の請求書や領収書をまとめて税理士に渡し、税理士に計算してもらったのち財務状況を報告してもらうという流れが多いと思います。税理士事務所によっては、企業の経理担当に会計ソフトへの入力をお願いして、その結果をまとめて社長に報告するという場合もあります。


つまり、このような流れでは、多くの企業では社長が財務状況を把握するのに、税理士に聞かないとわからないという状況が一般的ということです。月の半ばでは現時点での財務状況は把握できず、しばらく経ってから、または税理士に依頼してからでないと、財務状況がわからないということです。


会計ソフトを導入し、自社で運用できるようになると、試算表などを作成して現状を把握できるようになるため、税理士に依頼して報告を待つ時間が短縮され、スピード感のある経営判断ができるようになります。


会計ソフトへの入力は難しいと思われる方も多いですが、先ほどの調査にあるように、運用に失敗した企業は少なく、心配することはありません。また、次に紹介する請求書アプリや銀行口座連携、法人クレジットカード決済などを使うことで、操作やデータ入力自体を省略することができます。


2. 請求書などの帳票作成時間が短縮できた件について

企業間の取引の場合、見積書や納品書、請求書を発行することが多く、事務作業の大部分を占めてくることになります。手書きの場合もあれば、エクセルやワードで作成している場合もあり、企業によって作成方法は様々ですが、効率化している企業は実際のところ多くありません。


というのも、手書きをエクセル入力に変更しただけでは、見た目がよくなっただけで、データとして活用できてるわけではなく、手書きの方が早いという事務員も少なくありません。また作成した見積書を郵送している場合は、見積書などの紙自体をファイリングするのは非常に手間で効率化できていません。これらの取り組みは、紙への手書きをパソコンでの入力に置き換えただけで、結局のところデータとして管理できていないために、効率化が進んでいないのです。


データとして管理するとはどういうことかというと、見積書の内容を納品書や請求書に引き継げる形になっているかどうか、見積書などをデータでサーバーやクラウド上に保存しているかどうか、ということです。見積書に数値を入力すると、見積内容に変更がない限り、納品書や請求書をボタンひとつで作成・発行することができ、作成した帳票はクラウド上に自動的に保存されます。これが今のデータ管理方法です。

これまでは独自のシステムを導入したり、CSVデータを使ったりすることで、効率化を図ってきた企業もあったと思いますが、今や請求書アプリを使うことで、これまでの面倒な作業が一気に解消されます。エクセルの関数を入力することもなければ、印刷後にPDF化して保存する必要もありません。もちろん紙で保存する必要もありません。


中には、取引先に紙で請求書等を送付している企業もあると思います。しかし、今や請求書アプリでボタンを押すだけで、自動的に請求書が郵送されるサービスがあります。封入投函作業がなくなるため、かなりの業務効率化になるはずです。


会計ソフトとは何か、機能と使い方について

なるほど、会計ソフトを使うと業務効率化ができることは理解できたと思いますが、実際会計ソフトとは何か、どんな機能があるのか、などはまだまだ謎に包まれたままです。そこで改めて、会計ソフトとは何かを紹介します。


会計ソフトを使っている人

会計ソフトとは企業のお金の管理を手伝ってくれるものです。お金の管理は税理士に丸投げという社長もいらっしゃいますが、それではなかなか企業の経営がうまくいかないのが現状です。なので、実際は社長が自社のお金の流れについて十分に把握しておかなければいけません。


余談ですが、税理士事務所でも当然のように会計ソフトを使っています。結局、税理士に丸投げしても会計ソフトを使っていることになりますし、自社で管理するにしても会計ソフトを使うことになるというのが実際のところです。


話を戻しますと、お金を管理する上で難しいことは何かというと、支払っていないお金やまだ入金されていないお金を管理する必要があるということです。これを発生主義と言います。発生主義とは反対に、現金主義という法人では認められていないお金の管理方法があります。現金主義は現金が動いたタイミングで記帳する方法で、ほとんど現金出納帳のみで管理する方法です。現金主義ではお金が動かないと記帳ができないので、1ヶ月後の売上を記録して、売上予測を作ることもできませんし、来月支払う予定の従業員給与を踏まえた収支予測を作ることもできません。これではまともに経営ができないので、ほとんどの企業では発生主義でお金を管理しています。


会計ソフトの主な目的は、支払う予定のものや入金されるものを記録することと、経費や取引先ごとに金額をまとめてわかりやすくすることです。来月いくら出て行っていくら入ってくるのか、3ヶ月後にいくら入金があるのか、などを把握しやすくするのが会計ソフトを使う目的です。


最近の会計ソフトの特徴

今までの会計ソフトは、お金の流れを入力するだけだったので、実際の事務の現場では、見積りを作ったあと、①見積書を発行して、②その内容を会計ソフトに打ち込むという、2重の作業がありました。要するに、見積書で入力した金額や取引先を会計ソフトにもう一度入力することになっていました。


しかし、最近の会計ソフトは、見積書を作成すると、自動的に会計ソフトにデータが送られて入力する必要がなくなっています。見積書を作成するアプリと会計ソフトが連携しているので、2度入力する必要がないのです。


これは請求書発行時も同様で、請求書を発行すると、自動的に請求金額が売掛金として会計ソフトにデータが作られるので、会計ソフトへの入力が不要になり、さらに売掛金が口座に入金された場合には自動で売掛金が消し込みされるという連携もできてしまいます。


これまでは、会計ソフトを使っても、一定の知識(簿記)がなければお金の動きを把握できなかったのですが、今は会計ソフトの使い方さえ覚えれば、簿記の知識がなくても、お金の動きを把握できるようになっています。


会計ソフトの機能

改めて会計ソフトの機能を整理します。

・帳簿作成

(総勘定元帳、仕訳帳、固定資産台帳、試算表、決算書作成などの作成)

・口座、クレジットカード連携

・自動仕訳

・領収書等の読み込み

・領収書等の保存

・インボイスへの対応

・交通費等の経費精算

・各種レポートの自動作成

・決済承認

・口座間の資金移動

・請求書の自動作成(請求書アプリとの連携が必要)

・異なるパソコンからの操作可能


最近の会計ソフトは見た目もシンプルで、すっきりしているので、入力作業もしやすい傾向にあります。大手各社とも、使いやすさにこだわっているようです。


会計ソフト導入の流れ

  1. 税理士に相談する

まず、会計ソフトを導入する前に、税理士に「会計ソフトを運用して業務効率化を図りたい」ということを相談してください。税理士の中には決まった会計ソフトじゃないと対応しない方もいらっしゃるので、事前に相談することをお勧めします。


ちなみに会計ソフトも使っていない、税理士もいないという企業は税理士やお近くの商工会、商工会議所に相談されることをお勧めします。

会計ソフトを使う税理士

2. これまでの業務を見直す

税理士に相談して、会計ソフトを使うことが決まった後は、会計ソフトを選びたくなるものですが、まずは業務の流れを再確認して、これまでの業務の見直しを行いましょう。経理業務については、他の業務と比べて削減できる業務は多くないと思いますが、ITツールを導入する際には、事前に業務の見直しに取り組んでから、ITツールを導入するのが一般的です。そうしないと、本来必要のない業務までIT化することになって、逆に業務量が増えたり、システム構築にかかる費用や時間が増えたりするからです。


3. 会計ソフトを選ぶ

業務を見直した後は、いよいよ会計ソフトを選びます。当社がお勧めするのは、freee会計か弥生会計オンラインです。この2択以外は正直使い勝手が悪く、業務効率化の効果は低くなります。これまで弥生のソフトを使っている場合は、そのまま弥生会計オンラインを利用するのがいいと思いますが、それ以外の企業はfreee会計を導入すれば間違いありません。


この2つの会計ソフトが他の会計ソフトより優れている点は、請求書アプリだけでなく、勤怠管理アプリや給与計算アプリとの連携が優れているところ、銀行口座やクレジットカードとの連携ができるところ、国内大手企業で法改正やシステムエラーに素早く対応してくれるところ、企業の規模が大きくなっても引き続き使えるところ、などです。

(freee会計の特徴などについては、また別の記事にまとめるのでご覧になってください。)


4. データ移行、会計ソフトの設定

会計ソフトを選んだ後は、これまでのデータの移行とソフトの設定を行います。もちろん経理担当のフォローも必要です。先ほど紹介した2つの会計ソフトの場合は、カスタマーサポートもしっかりしているので、安心して使い始めることができます。また、当社のように、導入から運用に強いアドバイザーもいるので、これまでの経理業務からスムーズに移行することができます。



経理業務の効率化のまとめ

経理業務の効率化に挑戦する女性

ここまでで、経理業務の効率化は会計ソフトを活用することで実現できることを説明しました。会計ソフト導入の効果は高く、運用の失敗も少ないことから、中小企業では真っ先に検討する業務効率化の取組みになっています。


様々な会計ソフトはありますが、使いやすく、機能が豊富な国内大手のfreee会計や弥生会計オンラインを選ぶことを当社ではお勧めしています。詳細な使い方や機能については別の記事で紹介するので、あわせて読んでみてください。


一緒に経理業務の効率化に取り組みましょう!!

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