飲食店の経営改善で冷蔵庫を確認する理由
飲食店の経営改善で現場に入るとき、必ず冷蔵庫を確認します。冷蔵庫には、その店の段取りがそのまま出るからです。掃除が仕組みに入っているか、仕入れと仕込みがどう決まっているか、削減できる経費があるかは、冷蔵庫を確認するとよく分かります。
経営状況が悪い店舗の冷蔵庫とは
飲食店の支援で厨房に入ると、だいたい最初に冷蔵庫を見ます。経営状況が悪い店舗の冷蔵庫は、取っ手がべたついている、棚に汁がこぼれた跡が残っている、奥にいつ仕込んだか分からないタッパーがある、など明らかに衛生的な問題があります。アルバイトも冷蔵庫の掃除や整理ができていないことがよくあり、教育の体制が不十分であることも多いです。
汚れは原因ではなく結果
冷蔵庫が汚いのは習慣の問題で、確認したときにたまたま汚かった、ということはありません。冷蔵庫を洗うという作業が、日々のオペレーションのどこにも組み込まれていないので、誰もやらないまま時間が経ち、汚れになります。
つまり汚れは原因ではなく結果です。「きれいにしましょう」と声をかければ一度は片付きますが、仕組みに入っていない作業は、また元に戻ります。
そもそも店長などが冷蔵庫を洗うことができれば、冷蔵庫が汚いことにはならないはずです。店長自身の衛生観念が育っていないこと、冷蔵庫を洗うことを学んでこなかったことも問題です。
庫内が整理されていない店は、仕入れと仕込みもできていない
外側の汚れ以上に見ているのが、庫内の整理です。何がどこにどれだけ入っているかが見て分からない、同じ食材が別々の場所に入っている、期限の近いものが奥に押し込まれている。こういう冷蔵庫の店は、仕入れと仕込みもうまくいっていないことが多いです。在庫が見えていないから多めに発注し、使い切れずに傷み、仕込みの量も勘になります。
はっきり因果があると言い切れるものではありません。ただ、冷蔵庫が洗えていない店で仕入れと仕込みがうまく回っている例は、あまり見たことがありません。冷蔵庫の扱い方が、そのまま食材の扱い方になっています。
フィルターが詰まると、電気代が上がる
もう一つ、ほぼ確実に汚れているのが冷蔵庫のフィルターです。業務用冷蔵庫の放熱部分の前についているフィルターが、ほこりと油で詰まっている店は多いです。
フィルターが詰まると、冷蔵庫は熱をうまく逃がせなくなります。冷やすためにコンプレッサーが余計に回り、そのぶん電気代がかかります。庫内も冷えにくくなるので食材の持ちが悪くなり、故障の原因にもなります。
掃除自体は、外して洗って戻すだけです。それだけで電気代が変わるのに手がつけられていないのは、やる作業として決まっていないからです。汚れと同じ構造です。
冷蔵庫の掃除は、経費の話
冷蔵庫の掃除は衛生の話に聞こえますが、実際には経費の話です。
- フィルターが詰まれば、電気代が上がる
- 庫内が見えなければ、発注が膨らみ、廃棄が増える
- 冷えが悪くなれば、食材が早く傷む
どれも、そのまま原価率の悪化につながります。冷蔵庫の掃除は、経費削減の入り口です。
掃除を仕組みに組み込む
取っ手、棚、奥のタッパー、フィルターが汚れていたとして、責めるべきは人ではなく、掃除がどこにも組み込まれていない仕組みのほうです。
どう組み込むかは店によって違います。人の数も、営業時間も、仕込みの流れも違うからです。いつ、誰が、どこまでやるかを店ごとに決めるところから始めます。
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