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SWOT分析の考え方(DLC流)

計画書を作成する際に多く用いられるのがSWOT分析結果です。このブログを読んでいただいている方の多くも一度はSWOT分析を行ったことがあるのであるのではないでしょうか。


SWOT分析については、中小企業診断士試験(2次試験)でも出題されるほど、経営分析手法としては一般的な手法です。今回の記事では、当社で採用しているSWOT分析の考え方や、活用する際の方法を紹介します。

SWOT分析

 

目次

  1. SWOTとは

  2. SWOT分析の目的

  3. SWOT分析ではできないこと

  4. 「強み」の考え方とよくある誤解

  5. 活用方法


 

1.SWOTとは

SWOT(スウォット)とは「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字を取ったもので、企業の特性を端的に表現するものです。


「強み」と「弱み」はいわゆる内部環境と呼ばれ、企業が持つ経営資源を分析します。他方、「機会」と「脅威」は外部環境と呼ばれ、企業が置かれている社会的な情勢などを分析します。


2.SWOT分析の目的

企業の経営方針や事業戦略を決定する上で判断材料とするために、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つを分析する。これがSWOT分析の目的です。補助金の計画書では「強み」を活用した事業計画を求められます。それは「強み」を活用した事業の方が、戦略的に優れていると考えられているからです。中小企業庁などでは自社の「強み」としている経営資源を有効に活用することが、事業を成功に導くと考えられています。


SWOT分析を行うことで、事業の成功率を上げることができると言っても過言ではない。そのような考え方が常識として定着しています。


3.SWOT分析ではできないこと

SWOT分析をしても事業のアイディアは出てきません。SWOT分析は未来を占うものではありません。そのため、いくら強みを挙げたところで、取り組むべき事業が明確になるわけではありませんし、そのようにして考えた事業は全く機能しないでしょう。


当たり前のことですが、自社の強みと機会を組み合わせて考えた事業がうまくいくのであれば、こんなに簡単なことはありません。また中小企業においては「弱み」を克服することは現実的に不可能である場合も多く見られます。


SWOT分析を指針に事業を進めていくと、机上の空論になりがちです。SWOTの4つの分類だけで企業の方針を決めてしまうことに強引さがあるのです。


4.「強み」の考え方とよくある誤解

「御社の『強み』はなんですか?」と経営者に尋ねても、多くの場合「わからないね」と返されます。仮に、用意された「強み」が返ってきたとしても、その回答は果たして本当に「強み」なのか正直怪しいところがあります。


当社では「強み」を尋ねる際に、「企業のこだわり」や「企業の変遷(経営者の経歴)」を尋ねることが多いです。特にこだわりについては、「こういう同業は嫌だな」や「ここは譲れないな」と考えていることを聞き出すようにしています。往々にして、そういったネガティブな表現にこだわりが隠れていて、それが事業のコアになることが多くあります。


経営者に単純に「強み」を尋ねると、「技術が高い」「品質が高い」「味がいい」などと曖昧な表現をされます。しかし、多くの場合、これらの「強み」は事業をする上で当たり前のことであり、わざわざ「強み」として挙げる内容ではありません。これらの経営者が「強み」として挙げる内容の裏側にこそ、本当の強みが隠れています。


「強み」のよくある誤解として、立地に関する表現があります。「立地がいい」「駅が近い」「交通量が多い」などの立地に関する条件は「強み」にはなり得ません。


具体例を挙げます。当社はコンサル業を始める前は飲食事業を行っていました。人通りは少ないものの駅からほど近い場所で、駅を挟んで店舗の反対側に住む子連れの女性客も多く来店していました。


しかし、地下道ができて駅の踏切が閉鎖されたことで、地下道を通って駅の反対側に行く子連れの女性客が激減し、飲食店の客層も大きく変化しました。これまで少なくとも週1回来店していたベビーカーを押していた女性客は、地下道を通ることが難しくなり、全く来店しなくなりました。


つまり、立地に関する条件はあくまでも一時的なものであり、周辺の環境の変化によって立地の良し悪しが左右されてしまうということです。そのため、立地は「強み」ではなく「機会」と考えるべきなのです。


5.活用方法

SWOT分析を行って、取り組むべき事業を考えるのは机上の空論になりがちです。ではどう活用すればいいのでしょうか。当社では事業を考えた後に、その事業を評価する際にSWOT分析を行うことにしています。


つまり、「SWOT分析→アイディア出し」の順ではなく「アイディア出し→SWOT分析」の順で活用します。取り組みたい事業が果たして自社の強みを活かしているのかどうか、機会を捉えた事業なのかどうか、脅威を無視した事業ではないかなどを評価するツールとしてSWOT分析を活用しています。


そして、SWOT分析を行った後に、その方針や取り組みが評価できるものであれば、さらに費用対効果や実施体制などの検討を行います。SWOT分析によって評価された取り組みでも、費用対効果が悪ければ採用はしません。SWOT分析は万能ではなく、あくまでもリトマス試験紙のように「あり」「なし」を判断するための簡易的なツールとして活用しています。


そのため、当社ではSWOT分析の際にブレインストーミングを行うなどの手法は本質的には無駄な作業だと考えています。社内のモチベーション向上のためのワークショップとしての位置付けであればやっても良いとは思いますが、そこで出た意見が経営に反映されることは好ましくありません。


SWOT分析は経営方針や取り組む事業を考えるための「はじめの一歩」ではなく、たたき台を評価するためのツールとして活用するのが当社の活用方法です。



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