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中小企業のSNSの取り組みを考える

執筆者の写真: 福田虎大郎福田虎大郎

更新日:2024年11月1日

当社もセミナーや研修でSNSの活用をテーマにお話しすることが多々あります。

今回の記事では、中小企業のSNSの取り組みについて、前提からおさらいしてみようと思います。


中小企業のSNSの取り組みを考える

なぜSNSか


経営者の方からSNSについて相談があったときに、私が考えていることは「本当にSNSをやる必要があるの?」です。経営者にSNSに取り組みたいと考えている理由を聞くと、「最近はインスタグラムでしょ?」とか、「ホームページがなくても今はいいんでしょ?」とかそういう回答が返ってきます。


SNSに取り組むということ自体が先行していて、なぜ取り組むのかが明確になっていないことがほとんどです。もちろん、やれるならやった方がいいのは間違いありません。しかし、中小企業でSNSに注力できる企業は多くありません。効果を出すまで頑張れる企業がたくさんあるのであれば、支援する私たちも苦労しません。


なぜSNSをやるのか。数ある選択肢の中でSNSがベターなのか。これについてはしっかりと自問自答してほしいです。その上で、やっぱりSNSに取り組みたいというのであれば、ぜひ一緒に頑張りましょうという話になります。


中小企業のSNS以外の取り組みを検討してみる


もちろんSNSだけが集客の方法ではありません。私がSNS以外で販促施策を考えるとすると、

・ホームページの内容充実

・継続的なブログでの発信

・店舗外装のリニューアル

・看板の設置

・社員による営業

・イベントの企画

・業務紹介パンフレットの作成、配布

ぐらいはあります。


実際、振り返ってみると、当社では上に挙げていることは看板の設置以外全て実施しています。(看板作らなきゃ・・・)



当社でもSNSのアカウントはありますが、実際に成果につながっているとは言い難いです。ホームページやブログの方が結果を出していますし、それよりさらに代表や私が営業したことによる案件受注の方が多いです。


業種や業態、ターゲットによって、どの販促施策が最も効果的かは変わってきます。SNSに取り組むという固まった考えではあまりうまくいきません。


販促施策を考える前に、考えなければならないこと


例えば70代以上の方に商品を知ってもらう場合、インスタグラムで宣伝するのは効果的でしょうか?ランディングページを作るのはどうでしょうか?百貨店やスーパーで実演販売した方が売れそうだなと思うのは私だけでしょうか?


コンサル思考でない人は、どうやってやるかが先行します。すでにインスタグラムを使うことは決まっていて、投稿をどうやるか、どう写真を撮るか、ハッシュタグはどうするか、など、「どうやるか」を考えます。そして、SNS専門家の話を聞いて、「なるほど、真似してみよう」とやってみるのですが、うまくいかない。


それもそのはずで、なんでインスタグラムなのか、そもそもなんで販促を強化するのか、が十分に検討されていないのです。もしかしたらインスタグラムじゃなくてもいいかもしれないし、販促強化じゃなくて、値上げ(値下げ)したり、販売場所を増やしたり、商品をリニューアルしたりする方が影響が大きいかもしれません。


まずは、原点に立ち戻らなければいけません。ターゲットの設定が適切か、ターゲットのニーズを把握しているかを改めて問い直すことが大切です。


SNSを活用するときに注意すること


ここまで、SNS活用にちょっと後ろ向きなことを書いてきましたが、実際、私自身、本当に後ろ向きなところがあります。というのも、SNSの運用はかなり難しいからです。


「まず、インスタグラムの投稿を週に3回はやってみましょう」と言うと、多くの企業では「それはちょっと・・・」と一気にテンションが下がっていきます。さらに、「ストーリーも投稿しましょう」と言うと、もう全然ダメな感じになります。


もっとハードル低くできないんですか?と思われるかもしれませんが、それは甘えすぎです。インスタグラムは技術の高い投稿が多く、日頃からスマホでの写真・動画撮影に慣れていないとそもそも戦いになりません。下手な投稿をすることで、また投稿頻度が低いことで、かえって企業のイメージを下げてしまうことになりかねません。


さらに、残念なことに、SNS運用ではSNS担当者を配置しなければいけません。誰かがやるだろうという考えでは、結局誰もやりません。担当者を決め、担当者がリーダーシップを取って進めていくことが重要になります。この時点でほとんどの企業が脱落します。


SNSの企画会議

結局、SNS運用は企画力がものをいいます。どんな内容を投稿するかを考えて、フィードバックを分析して、次の投稿に活かしていく。この取り組みを繰り返しながら、企画を考え続けることが成果につながります。そのためには、企業内で企画会議を行い、目標に対しての達成度を確認し、取り組みを修正するといった、かなり組織的な取り組みが必要です。


多くの中小企業では、SNSにそこまで注力できません。というより、ここまでするほどSNSに本気になる企業は少ないのが実態です。SNSに取り組みたいといっても、本気でやるほどではないのです。


SNSの取り組みを本気でやるのか、それとも別のことに力を入れるのか


SNSも一つの選択肢ですが、軽い気持ちでやってうまくいくものではありません。もしかしたら周りの経営者さんからうまくいった話を聞いてるのかもしれませんが、それ以上に挫折している経営者さんは多いです。うまくいっている企業は目立つかもしれませんが、そうでない企業の方が圧倒的に多いです。だからといって、SNSの取り組みと企業の収益はまた別の話です。


SNSに本気になるより、営業に力を入れた方が伸びる企業は多くあります。それに、営業の方が再現性が高く、短期間で結果を出すことができます。そしてSNSよりもはるかに持続的に運用できます。(※当社でも営業社員に向けた研修を実施しています。)


また、少しお金をかけて、店舗外装を変えることも集客には大きな影響があります。立地によってはSNSよりもはるかに費用対効果が高いことがあります。


中小企業は大手に比べて、ヒトもモノもカネも多くありません。限りある経営資源を有効に使うためにも、SNSに取り組む前に、一度立ち止まって、本当に取り組む必要があるのか、なぜSNSなのかを考えてみてください。


中小企業のSNS

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