top of page

SWOT分析と事業継続計画(BCP)

今回は、事業継続管理者である中小企業診断士が、中小企業におけるSWOT分析と事業継続計画(BCP)の関係性についてまとめました。


SWOT分析×事業継続計画

この記事の内容は以下の通りです。

 

【目次】

脅威(Threat)に対応するための事業継続計画

脅威に対応するにはリソースが足りない中小企業の現実

想定されるリスクへの対応策は本当に実現できるのか

災害や事故時に浮き彫りになる企業の弱み(Weakness)

弱みを克服するための事業継続計画を作る


 

BCPの策定を検討している事業者の方や支援している方にも読んでいただければと思います。



脅威(Threat)に対応するための事業継続計画

事業継続計画はSWOT分析の「T=脅威」への対応策として作成されることが多いです。

具体的には地震や洪水などの自然災害、感染症、海外の情勢不安などです。

中小機構が取り組みを勧める「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」も、想定される災害を選択し、その災害への対策を検討する内容となっています。


経営していく上で、どんなリスクがあるのか、自社はどんな社会環境に身を置いているのかなどを洗い出しておくことは非常に重要です。その上で、SWOT分析を行い、特に「T=脅威」について様々な視点から検討項目を挙げていく必要があります。



脅威に対応するにはリソースが足りない中小企業の現実

SWOT分析を行い脅威を洗い出したところで、実際に全ての脅威に対してなんらかの有効策を準備できるかというとそうではありません。

想定されるリスクに対応しようとすると、高額な設備投資が必要となったり、リスクに対応するための人員配置が必要となったりします。


一方で、中小企業のうち約7割は赤字企業と言われ、また慢性的な人手不足とも言われています。そのような状況にある中小企業が生産活動以外の事業継続計画の実施に対してヒトや金を出せるかというと難しいですね。


つまりリスクに対応するということは、「費用」と「人材」の面で中小企業にとっては非常にハードルが高いものになることがわかります。



想定されるリスクへの対応策は本当に実現できるのか

中小企業において、想定されるリスクへの対応策として事業継続計画を作成することは、果たして有効な手段なのでしょうか。

事業継続計画を作成しただけで、実際には対策が進まず、机上の空論になってしまうのではないでしょうか。


実際にこのような懸念は多くの中小企業が抱いています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)の「中小企業の災害対応に関する調査」(2018)によると、BCPを「策定していない」という企業は83.1%でした。


BCPの策定状況

BCPを策定していない理由としては、「人手不足」が最も多く29.1%、「策定の重要性や効果が不明」が21.1%でした。


BCPを策定していない理由

策定していない理由として最も多い「人手不足」の内容を噛み砕くと、従業員の知識・ノウハウの不足や担当者の不在などが考えられます。

実際に私が支援した事業者様の中にも、経営者や従業員にBCPのノウハウがない、何からすればいいのかわからないという悩みがありました。


策定すること自体にも人員を割けない状態で、リスクに対応するための人員を配置することは困難です。


中小企業は、根本的に「人材不足を改善する」ことが必要で、人材を確保するためにも設備投資をするためにも「財務の安全性を高める」ことをしなければ、事業継続計画を実施できません。



災害や事故時に浮き彫りになる企業の弱み(Weakness)

いざ災害や事故が起こったときには、マンパワーの必要性を強く感じるはずです。

災害時には普段人手不足な企業は、より人手不足に陥り、事業が継続できないどころか、災害対応すらままならない可能性があります。


また復旧のために融資を受けるにも、財務状況が悪いと、十分な資金を確保できないかもしれません。


このように考えると事業継続計画は、脅威(T)に対して作成するのではなく、まず弱み(W)の克服から始めるのが良いのではないかと思えてきます。



弱みを克服するための事業継続計画を作る

中小企業で事業継続計画の作成を支援する際に、災害への備えの前にもっとやることはあるんじゃないか、と感じることは多々あります。もちろん災害への対策を軽視するわけではないのですが、目先の経営についても十分な計画を立ててほしいです。


事業継続計画も起こるかもしれない災害に対してだけではなく、すでに企業の弱みとして顕在化している問題に、直接対策を取っていくことが必要なのではないでしょうか。


まずは弱みを認識し、その弱みを克服する形で事業継続計画を作成していくことをお勧めします。企業の弱みを少なくしていくことで、いざ何か重大な問題が起こった際にも、事業を復元していく力(レジリエンス)を高く保てるのではないでしょうか。



事業継続計画について、もっと知りたい方はこちら




SWOT分析について、もっと知りたい方はこちら


閲覧数:12回0件のコメント
bottom of page