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ビジネスインパクト分析とは


ビジネスインパクト分析

今回は事業継続のテーマでもより重要なビジネスインパクト分析(BIA)について説明します。

先月受けた事業継続の研修においても、リスク分析が先行し、ビジネスインパクト分析が十分行われていないという指摘がありました。


リスク分析とは、被害の大きさや頻度でリスクを分類し、企業に与える影響を分析する手法です。確かに地震や風水害などの被害の程度を調べて、それらがどのくらいの確率で起こるのか、またその場合の企業や社会全体の被害はどうなるのかなどを分析することは、比較的理解しやすく、対策もイメージしやすいと思います。しかし、リスク分析では想定外の被害が起こった際に、対応が難しいという欠点もあります。


リスク分析は自社の外部環境を分析するのに対し、ビジネスインパクト分析は自社の内部環境を分析する手法です。ここからはビジネスインパクト分析の具体的な手順を紹介します。


1. 事業が中断した場合の影響を考える


例えば、自社の重要な事業が1週間停止した際にどのような影響があるかを考えてみます。

定量的には、まず1週間停止していた場合に得られるはずだった売上(=機会損失)があります。また、サービスを提供できなかったことによる損害賠償も発生するかもしれません。

定性的には、今後受注が取れなくなる可能性や、ブランドイメージの毀損、従業員の離職などの影響が考えられます。これらははっきりと数値には表現できないものの、事業に与える影響は少なくありません。


そこで、これらの影響について、どの期間まで許容できるかを経営の視点から判断します。事業を中断できるのは1週間なのか、3日なのか、それとも1日なのか…。


例えば1週間事業が止まり、納品ができなくなった場合、大きい取引先との契約がなくなったり、違約金などが発生したりして企業が存続できないような事態が発生するのであれば、1週間の中断は許容できないと言えます。このような中断を許容できる時間のことを最大許容中断時間(MTPD)といいます。


企業の財務面から最大許容中断時間を考えるには、売上がない状態で固定費の支払いや損害賠償などの費用をどこまで負担し続けることができるのかを調査し分析することになります。しかし、中断から復旧したとしてもすぐにこれまで通りの利益を確保できるわけではありません。復旧直後は赤字になることも当然あります。復旧後の収支状況を考慮して許容できる時間を検討しましょう。


2. 業務プロセスを見える化する


重要な事業についての業務プロセスを整理します。業務プロセスは「作業手順」よりは大きな項目として理解していただくとよいです。


業務プロセスを整理し、業務の流れを見える化することができたら、その業務それぞれに関連する取引先企業などを書き出し、業務との関係性を図示します。さらに、機械やシステムなど業務に必要な資源についても洗い出していきます。


3. 特に重要だと言える業務を選び出し、目標復旧時間を決める


このような過程を踏まえて、優先順位をつけながら重要業務を決定し、それぞれの目標復旧時間を決定します。目標復旧時間とは、目標とする業務の復旧水準を達成するまでにかかる時間を表す指標です。例えば電話やメールなどの窓口機能は3時間以内に復旧させるなどが、この目標復旧時間の考え方になります。


それぞれの業務の目標復旧時間を合わせると、最大許容中断時間を超えることもあります。その場合には目標復旧時間を見直していく必要があります。


ビジネスインパクト分析の4つの手順


これまで説明したことをまとめると、

1 中断時の影響を分析

2 最大許容中断時間を設定

3 業務プロセスや関係性を見える化

4 重要業務・目標復旧時間を決定

以上の4つの手順でビジネスインパクト分析を進めていくことになります。


ビジネスインパクト分析は事業継続の戦略を検討する上で非常に重要です。この分析が欠けていると、いざ事業が中断するような事態に見舞われた際に、「全て今まで通りに復旧する」作戦しか選択することができなくなります。しかし、元通りにするには莫大な費用がかかったり、数年間は売上を確保できなかったりと、現実的な計画にはならないことが往々にしてあります。


まずは何を優先的に復旧させなければいけないのか。自社の内部資源について改めて目を向けることで、災害や事故などのあらゆる被害に対応することができます。

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