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リスクへの対応を検討する

更新日:2023年11月29日

事業継続を考える上で、リスクを分析し対応を検討することは重要なポイントです。

今回は保険会社での勤務経験や損保大学資格取得時の学びをもとに、リスクへの対応方法について説明します。

【重要】リスクを分類し、取り組みの優先度をつけていく


全てのリスクに対して、優先順位をつけずに対応していくのは、資金的にも人材的にも不可能です。そこで、リスクを「発生確率」と「損害額(損害の程度、被害額など)」の2軸で分類しそれぞれに合わせた対応方法を検討していきます。これがリスクコンサルティングの手法です。


リスクへの対応方法


前述のとおり、発生確率と損害額の2軸で分類したリスクへの対応方法は以下の4つにまとめられます。

  1. リスクの回避

  2. リスクの移転

  3. リスクの保有

  4. リスクの低減

リスクの低減、リスクの回避、リスクの保有、リスクの移転

1.リスクの回避について


リスクの発生確率が高く、またその損害額も大きい場合は、事業自体を見直すことが最も有効な手段です。これがリスクの回避です。

例えば、毎月事故を起こすドライバーは、発生確率も損害額も大きいリスクです。(損害額:車両を修理する費用、次年度保険料との差額、稼働できない車両の機会損失など) このリスクに対して、当該ドライバーのバックオフィスへの配置転換を行うことがリスクの回避に該当します。


2.リスクの移転について

リスクの発生確率は低いものの、発生すると大きな損害となる場合は、保険などを活用してリスクを保険会社に負担してもらいます。これがリスクの移転です。一般的にリスクの移転は保険商品を活用することと同義ですが、どのようなリスクでも保険で対応できるわけではありません。


3.リスクの保有について


リスクの発生確率が低く、仮に発生しても損害の程度も低い場合は、注意しながら事業を継続することになります。これがリスクの保有です。 例えば、事務所内のキャビネットに小口現金を2万円置いているが、その管理のためにわざわざセキュリティカメラを設置しないなどの対応がリスクの保有に該当します。リスクの保有は、損害の程度とリスク対策の費用を比較して合理的にあえて対策を取らない方法です。損害額が大きい場合はリスクを保有してはいけません。


4.リスクの低減について


上記の3つの対応ができない場合はリスクの低減するための手段を検討します。

例えば、数十年に1度の豪雨災害時に工場が床上浸水するリスクがある場合、工場内の浸水を防ぐために防水シャッターを導入したり、排水溝を整備したりすることがリスクの低減に該当します。※損害保険では床上30cm程度の浸水では機械の損害は保証されない場合が一般的です。そのため、保険を掛けるだけでは浸水に対して十分対応できません。

これらのリスクへの対応方法を念頭に置きながら、損害が発生した場合の被害の範囲や金額を丁寧に見積もり、どのような方法で対策を取るのか検討する必要があります。


 

損害保険の契約内容について


リスクの移転については、損害保険を活用することで対応するという説明をしましたが、損害保険について詳しい経営コンサルタントは少ないのではないでしょうか。

保険を使うような事故は実際にはなかなか起こりません。しかし、起こった際には事業が継続できないほどの被害となる場合もあります。その時に契約していた保険が全く事業内容とかけ離れたものだったら、非常に怖いものがあります。


保険代理店の提案する保険内容が必ずしも適切かどうか、実際はほとんどの契約が誤った契約になっていると言っても過言ではないでしょう。私も保険会社や保険代理店に所属している時に、様々な他社の保険契約を目にしましたが、見直しする必要のない契約は数えるほどでした。


せっかく安くない保険料を支払っているのであれば、適切な保険になるように見直しを行いましょう。当社では第三者目線で適切にアドバイスすることができますので、ご不安な契約がありましたらご相談ください。



事業継続についての詳細はこちらをご覧ください。


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